入院小話6 清拭(体を拭く)
*3年ほど前のお話になります。
当時の記憶を出来る限り思い出して書いていきたいと思います。
病院の治療などは実際と多少の異なる場合があるかもしれません。
(うろ覚え部分があり)その場合はご容赦ください。
入院中お風呂に入れないときはタオルで体を拭くのですが、
私が入院していた病院では蒸しタオルなどタオル類の支給は無く、
自分で持ってきたタオルで体を拭かなければいけませんでした。
各部屋でお湯が出るので自分でタオルを濡らして
拭かなければいけないのですが・・・点滴を常につけているので
その手でタオルを絞る作業がなかなか大変でした。
手でタオルをぎゅっと絞ると手が捻じれて血管が痛いのです・・・
以前、事故で大きな総合病院に一週間ほど入院した経験があるのですが、
その時は朝は顔を拭く蒸しタオル、夕方は体を拭く蒸しタオル、
数枚を必ず持ってきてくれていました。
この蒸しタオルが無いのは結構不便でした。
入院中、洗濯は夫にしてもらっていたので、
出来るだけ洗濯物を減らしたいという思いもありました。
体を拭くにも一回だけでは拭けません。何度も洗って絞ることになります。
洗面台まで何度も移動することになるし、さらに絞る作業で腕が痛い・・・
切迫で安静にしないといけないのになぜ自分でしなければいけないのだろう?
とちょっと疑問に思っていました。(わがまま??)
冬なら汗もそんなにかかないので一日位体を拭かなくてもいいかな・・・
と思えるのですが、私の入院期間は春から秋にかけてでした。
暑くて汗をかいてしまい、どうしても毎日拭きたかったのです。
仕方がないので、夫や母に協力してもらいタオルを洗うことと、
背中を拭くこと、あとは着替えの手伝いをしてもらいました。
自分で出来ることはもちろん自分でしましたが、
着替えだけは点滴が付いているので一人では困難でした。
下着だけは毎日変えたいので毎日着替え、
パジャマは2日~3日に一度着替えていました。
下着は自分で脱ぐことが出来たのですが、
パジャマの上着は点滴が刺さっているので、一人では脱ぐことが出来ず、
点滴のチューブを途中で外してもらわないといけませんでした。
看護師さんを呼んで着替えることになっていました。
(もしくはむりやり袖に点滴袋を通して着替えていました。)
体を拭くことも、着替えも自分で満足に出来なくてもどかしくもあり、
情けなくもありました。
文句ひとつ言わずに洗濯をしてくれたり、背中を拭いてくれる夫や、
少しでも気持ちがいいように熱湯でタオルを洗ってくれて、
アツアツのタオルで体を拭いてくれたり、
洗面器を持ってきてくれて足を洗ってくれた母に感謝です。
介護される人の気持ちがちょっとだけ分かりました。
この感謝の気持ちを忘れずにいつか恩返しが出来るようになりたいです。